Published at2021年10月31日
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この記事では、リコーの複合機・コピー機の価格相場や保守、機能について解説します。
▼この記事で分かること
リコーの複合機「IMシリーズ」の導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
まず、リコーの複合機・コピー機の特徴を解説します。
リコーは日本を代表する光学メーカーです。リコーのコア事業は「カメラ」と「複写機」。日本のコピー機市場においてリコーはシェア2位を獲得しています。
ただしリコーの純利益は低め。シェア率維持のために低価格競争に突き進んだ結果です。また、2023年5月には東芝テックとの協業を発表し、2024年7月~合併会社「ETRIA(エトリア)」にて複合機開発を進めると公表しています。「いかにユーザーに低価格で良いものを提供できるか?」を企業努力で解決しようと奮闘真っ最中といったところでしょうか。
では、リコーのコピー機は安いのでしょうか?
確かに以前のリコー「IMシリーズ」は低価格でしたが、2023年2月にリリースした「IMシリーズ」の価格は、相場を大きく外れない適正価格に落ち着いています。
ちなみにリコーでは利益率を回復すべく「オフィスのトータルソリューションの提案」にも力を入れています。複合機・コピー機だけで稼げないなら、ICTを活用したクラウドソリューション分野に乗り出すのが早道です。
また、リコーは保守拠点数が多いため、コピー機・複合機の修理対応のスピード感には定評があります。
▼リコー複合機の特徴
ここからはリコー複合機「IMシリーズ」の価格相場を公開します。
オフィス用の複合機・コピー機にはメーカーが指定する「標準価格」はありますが、実際の販売価格は標準価格を大幅に下回ります。リコーの複合機も例外ではなく、本体標準価格100万円のコピー機の場合、60~70万円程度まで実際の売値(相場)は下がります。
▼リコー複合機「IMシリーズ」の価格相場
印刷速度 | 商品名 | 価格相場 |
20枚/分 | IM C2010 | 約65万円 |
IM C2010F | 約74万円 | |
25枚/分 | IM C2510 | 約75万円 |
IM C2510F | 約99万円 | |
30枚/分 | IM C3010 | 約89万円 |
IM C3010F | 約113万円 | |
35枚/分 | IM C3510 | 約104万円 |
IM C3510F | 約128万円 | |
45枚/分 | IM C4510 | 約121万円 |
IM C4510A | 約145万円 | |
IM C4510F | 約145万円 | |
55枚/分 | IM C5510 | 約138万円 |
IM C5510A | 約162万円 | |
IM C5510F | 約163万円 | |
60枚/分 |
IM C6010 | 約170万円 |
IM C6010F | 約182万円 | |
65枚/分 | IM C6500 | 約217万円 |
80枚/分 | IM C8000 | 約287万円 |
リコー複合機IMシリーズの価格は安いと言われますが、同スペック他社複合機と比較して本当に安いのでしょうか?リコーIM C2510/C2510Fと他社同型機の価格相場を比較します。
▼リコーIM C2510Fと他社同型機の価格相場を比較
メーカー | 商品名 | モデル名 | 価格相場 |
富士フイルム(ゼロックス) | Apeos C2570 | Model-P | 約89万円 |
Model-PFS | 約130万円 | ||
リコー | RICOH IM C2510 | 約75万円 | |
RICOH IM C2510F | - | 約99万円 | |
キヤノン | iR-ADV DX C3926F | - | 約106万円 |
シャープ | BP-60C26 | - | 約89万円 |
コニカミノルタ | bizhub C251 i | - | 約91万円 |
京セラ | TASKalfa 2554ci | - | 約78万円 |
リコー複合機IM C2510/C2510Fの価格相場は、それぞれ約75万円と99万円です。同等スペックのコピー機の平均価格は約94万円ですので、リコー複合機は「平均的な価格帯」と言えます。
次に、リコー複合機「IMシリーズ」のリース料金相場について確認しましょう。リース料金相場はリース料率やリース期間に左右されますが、ここでは5年リースで1.9%のリース料率として換算します。
▼リコー複合機「IMシリーズ」のリース料金相場
印刷速度 | 商品名 | 価格相場 |
20枚/分 | IM C2010 | 約12,300円 |
IM C2010F | 約14,100円 | |
25枚/分 | IM C2510 | 約14,300円 |
IM C2510F | 約18,800円 | |
30枚/分 | IM C3010 | 約16,900円 |
IM C3010F | 約21,500円 | |
35枚/分 | IM C3510 | 約19,800円 |
IM C3510F | 約24,300円 | |
45枚/分 | IM C4510 | 約23,000円 |
IM C4510A | 約27,600円 | |
IM C4510F | 約27,600円 | |
55枚/分 | IM C5510 | 約26,200円 |
IM C5510A | 約30,800円 | |
IM C5510F | 約31,000円 | |
60枚/分 |
IM C6010 | 約32,300円 |
IM C6010F | 約34,600円 | |
65枚/分 | IM C6500 | 約41,200円 |
80枚/分 | IM C8000 | 約54,500円 |
なお、一般的な複合機のリース料金相場は、以下の通りです。
▼コピー機・複合機リース料金相場【印刷速度別】
印刷速度 | 最適な月間の印刷枚数 | 月額リース料金の目安 |
---|---|---|
20枚機(20枚/分) | 2,000枚以下 | 11,000円 |
25枚機(25枚/分) | 1,000~3,000枚程度 | 16,000円 |
30枚機(30枚/分) | 3,000~6,000枚程度 | 18,000円 |
40枚機(40枚/分) | 6,000~10,000枚程度 | 22,000円 |
50枚機(50枚/分) | 10,000枚以上 | 23,000円 |
>>>詳しくは、「複合機・コピー機のリース料金相場」記事参照
リコー複合機「IMシリーズ」のリース料金相場は、25枚機で1.4~1.8万円程度です。他社複合機のリース料金相場は16,000円程度ですので、リース料金に関しては相場並みとも言えますが、安くはありません。
価格相場・リース料金相場ともに「高い」リコー複合機ですが、カウンター料金相場もやはり他社より高めです。
【リコー複合機のカウンター料金相場】
カラー12円/枚・モノクロ1.2円/枚
なお、その他の複合機メーカーのカウンター料金相場は以下の通りです。
▼メーカー別!複合機・コピー機のカウンター料金相場
カウンター料金 | メーカー名 |
カラー6円/枚~ モノクロ0.6円/枚~ |
京セラ |
カラー8円/枚~ モノクロ0.8円/枚~ |
シャープ |
カラー10円/枚~ モノクロ1.0円/枚~ |
東芝テック ムラテック |
カラー12円/枚~ モノクロ1.2円/枚~ |
富士フイルム(ゼロックス) キャノン リコー コニカミノルタ |
>>>詳しくは、「複合機・コピー機のカウンター料金相場」記事参照
カウンター料金に関しては、「月間印刷枚数が多い」「リコーの保守拠点と事業所が近い」「本社と支社数社をまとめてリコー複合機で揃えている」などの条件次第で安くなります。
また、リコー複合機の場合、「モノカラー印刷のカウンター料金=モノクロ印刷のカウンター料金」であることも利点です。モノカラー印刷とは、黒と別の1色の2色刷り印刷のこと。リコーでは、モノカラー印刷をモノクロ印刷と同じカウンター料金(相場=1.2円/枚)で計算してくれます。
カウンター料金は複合機・コピー機のランニングコストを節約する肝です。導入する際には、リース料金だけでなくカウンター料金もしっかり確認しましょう。
リコーの複合機・コピー機の主力商品であるA3カラー複合機「IMシリーズ」の比較表を掲載します。
リコー複合機「IMシリーズ」の種類は非常にシンプルです。選び方の基本は自社の「月間印刷枚数」です。今回は、月間印刷枚数ごとにおすすめの機種を比較します。
商品名 | 印刷速度 | コピー/プリント | FAX | スキャン | 自動両面 | トレイ | |
IM C2010 | 20枚/分 | ○ | ▲ | ○ | ▲ | 1段 | |
IM C2010F | 20枚/分 | ○ | ○ | ○ | ○ | 1段 |
月間印刷枚数が2,000枚以下の事業所には、リコーIM C2010/C2010Fがおすすめです。
前機種のIM C2000にはFモデルが存在しませんでしたが、2023年2月リリースのIM C2010シリーズには、FAX機能つきのFモデルを標準タイプとして用意してきました。
IM C2010には自動両面印刷も付かないため、「FAX」と「自動両面印刷機能」の2つがほしい場合は、IM C2010Fを選びましょう。
商品名 | 印刷速度 | コピー/プリント | FAX | スキャン | 自動両面 | |
リコーIM C2510 | 25枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ▲ | |
リコーIM C2510F | 25枚/分 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
リコーIM C3010 | 30枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ▲ | |
リコーIM C3010F | 30枚/分 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
リコーIM C3510 | 35枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ▲ | |
リコーIM C3510F | 35枚/分 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
⇒リコー IM C2510・C3010・C3510の価格相場記事参照
月間印刷枚数が3,000枚に達する月がある事業所には、印刷速度25枚/分のIM C2510/C2510Fか、印刷速度30枚/分のIM C3010/C3010F、印刷速度35枚/分のIM C3510/C3510Fがおすすめです。
FAXと自動両面印刷が必要なら、型番に「F」がつくタイプを選びましょう。「FAXは不要、自動両面印刷機能だけほしい」場合は、ノーマルタイプにオプションでARDFを付けます。
商品名 | 印刷速度 | コピー/プリント | FAX | スキャン | 自動両面 | |
IM C4510 | 45枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ▲ | |
IM C4510A | 45枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ◎ | |
IM C4510F | 45枚/分 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
IM C5510 |
55枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ▲ | |
IM C5510A | 55枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ◎ | |
IM C5510F | 55枚/分 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※自動両面印刷の◎=1パス
⇒リコー IM C4510・C5510・C6010の価格相場記事参照
月間印刷枚数が1万~2万枚の事業所には、印刷速度45枚/分のIM C4510/C4510A/C4510Fか、印刷速度55枚/分のIM C5510/C5510A/C5510Fがおすすめです。IM C4510/C5510ではノーマルタイプと「A」タイプ、「F」タイプの3種類に分かれます。
型番に「A」がつくタイプには、1パス両面ADFが付きます。1パス両面ADFとは、原稿を1度読み取るだけで両面を同時に読み取る技術(両面読取技術)を搭載したADFのことです。1パス両面ADFがあれば、スキャナーでの読み取り作業はノンストレス。文書の電子化を進めるうえでは欠かせない技術です。
ノーマルタイプには、FAX機能も自動両面印刷機能も付きません。FタイプにはFAX機能と自動両面印刷がつきますが、1パス機能ではありません。
商品名 | 印刷速度 | コピー/プリント | FAX | スキャン | 自動両面 | |
IM C6010 | 60枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | ◎ | |
IM C6010F | 60枚/分 | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | |
IM C6500 | 65枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | 〇 | |
IM C8000 | 80枚/分 | 〇 | ▲ | 〇 | 〇 |
※自動両面印刷の◎=1パス
月間印刷枚数が2万枚以上になると、60枚/分程度の印刷速度はほしいところです。IM C6010にはFAXは付きませんが、自動両面印刷機能は1パス可能なタイプになります。FAXが必要な場合は、IM C6010Fを選びましょう。
なお、リコーには65枚/分のIM C6500と80枚/分のIM C8000もあります。どちらもFAXはオプション対応になりますが、高速印刷可能なハイスペック複合機です。
ここからは、リコー複合機・コピー機の評判・評価について確認します。
出典:リコー公式
リコーの複合機は、2023年2月以前は「他社より安い」と言われており、国内シェアは2位でした。リコーのコピー機・複合機には特に強みがありませんが、安さゆえにシェアを伸ばしていたと言っても過言ではありません。
が、2023年2月以降の本体価格高騰を見る限り、リコーは「安売りからの脱却」を図るようです。
この値上げを「世の中のインフレのせい」と鵜呑みにするか、それとも他社の安い複合機へ目を向けて損をしないようにするか、よく検討しましょう。ただ、リコー複合機の場合、「モノカラー印刷」があります。2色印刷がモノクロ印刷と同じカウンター料金である点はメリットです。
出典:リコー公式
2023年2月発売の新機種IMシリーズには、コレといって目新しい特徴はありません。特筆するとすれば、省エネ性能の良さ。エネルギー消費電力は、他社複合機と比較してもトップクラスの低さです。
また、スマホのようにドラッグやフリックができる大型タッチパネルも若い世代には好評。説明書無しで感覚で操作できます。ただ、スマホに慣れていない世代にとっては逆に「使いづらい」「機能が多すぎる」と感じるポイントにもなります。
リコーの最大の魅力とも言えるのが「保守拠点の多さ」です。都心部はもとより、地方での拠点の多さは業界一!地方都市に居を構える事務所なら、まずリコーを検討してもいいでしょう。
当サイトではリコーのメーカー保守について口コミ調査を実施しており、結果を集計しました。2022年度中に集まった全メーカーのメーカー保守口コミ数は合計172件。そのうちの60件がリコーのメーカー保守への口コミでした。
リコーのメーカー保守満足度は84%!富士フイルム(ゼロックス)に次いで2番目に高い結果です。「保守拠点が近くにあり、スグに修理に来てくれる」と回答されている方が多いようでした。
それでは次にリコー複合機が向いている企業の特徴を5つお伝えします。
▼リコー複合機が向いている企業の特徴5選
リコー複合機は特にコレといった特徴がないため印刷やコピーといった、コピー機の基本的な機能しか使わない事業所向けです。A3カラー複合機は20枚機から80枚機まで幅広くラインナップされていますので、大量印刷する事業所でもストレスなく使えるでしょう。モノカラー印刷がモノクロ印刷と同じカウンター料金である利点も活かしたいところです。
また、2023年2月リリースのリコーIMシリーズでは、環境負荷性能が他社複合機よりも非常に良いため、SDGsに力を入れている企業にもおすすめします。もちろん、保守網の細かさはリコーの利点の一つ。地方に居を構える事業所にも、リコー複合機はおすすめできます。
次に、リコー複合機が向いていない企業の特徴を2つお伝えします。
▼リコー複合機が向いていない企業の特徴2選
2023年以前ならリコー複合機は「安さ」の面でもおすすめできましたが、本体価格が値上がりした今は「安さ」ではおすすめできない複合機になってしまいました。複合機のコストを安くおさえたい場合は、京セラ複合機やシャープ複合機をおすすめします。
また、文書管理ソフトとしてドキュワークスやimageWARE(イメージウエア)をお使いの場合、連携することはできますが、「連携作業が面倒くさい」という声も聞こえてきます。なお、リコーにも「Ridoc(リドック)」とよばれるドキュメント管理ソフトがあります。他社の文書管理ソフトを導入済みの場合は、連携が可能かどうかお問合せください。
それでは最後に、リコー複合機・コピー機の導入事例をご紹介します。今回ご紹介するのは、一世代前のリコーIM C2500とIM C3500の事例です。最新機種であるIM C2510の事例は上がり次第、こちらで掲載いたしますのでお待ちください。
とある地方で学習塾を営まれるお客様の事例です。フィニッシャーなどのオプション類は何もつけず、給紙システムも標準装備のみ。リース料金は相場並みです。
「カラー印刷よりもモノクロ印刷やモノカラー印刷が多い」とのことで、モノクロのカウンター料金を安く設定するかわりにカラー印刷のカウンター料金は20円/枚と高めに設定されています。
こちらは都内の事業所の事例です。リース料金が相場よりかなり高めに設定されていますが、フィニッシャーなどのオプションをプラスした結果です。月間の印刷枚数が多いため、カウンター料金は相場よりも随分と安く設定されました。
今回は、リコー複合機の価格相場や保守、特徴をお伝えしました。
リコー複合機を安く導入したいなら、相見積をとるのがおすすめです。相見積をとることで、確実に複合機導入費用は安くなります。ぜひお問合せください。