出典:ムラテック
村田機械株式会社(ブランド名「Muratec(ムラテック)」)は、産業機械を中心として発展してきた企業です。ブランド名から「ムラテック」と呼ばれており、業務用コピー機・複合機も販売しています。
今回の記事では、ムラテックのコピー機について解説します。
村田機械株式会社(通称ムラテック)は、1935年に京都で発祥した「西陣ジャガード機製作所」を源流とした企業です。
非上場企業であることや同社ブランド名によるコンシューマー向け製品を扱っていないことから、一般的な知名度には劣るものの、創業来成長を続け、売上高は約3000億円、営業利益率もメーカーとしては高めの約14%(※)となっています。
同社は1960年代に、工作機器、物流機器などへと進出し、70年代にはファクシミリ製造事業を開始しました。73年にムラテックから発売された「dex180」は、旧電電公社(現NTT)のファクシミリ許可商品の第一号を取得するなど、オフィスの情報機器にも強みを持っています。
また、通信機器の大手であったサイレックス・テクノロジーを買収するなど、M&A(Mergers and Acquisitions/買収)による積極的な多角化経営を行っています。
現在の主な事業は、創業当時の工作機器に加え、タイヤ製造工程の保管・搬送システムなどの自動車部品製造工程、そしてコピー機(複合機)などのオフィス関連事業と、様々な分野で業績を伸ばしています。
ただし、同社のコピー機はコニカミノルタ製品のOEM(Original Equipment Manufacturing/相手先ブランドの受託製造)であるため、ムラテック自社での製造販売ではありません。そのため、コピー機の基本デザインから性能まで、ほぼ全てがコニカミノルタ製品と同スペックの商品となっています。
なお、本社所在地および名称の似ている「村田製作所」とは資本関係などは一切なく、全く別の会社です。
※参考:ムラテック「数字で見るムラテック」
コニカミノルタのコピー機「bizuhubu(ビズハブ)」シリーズをベースとしたOEM品であるため、ムラテックのコピー機は、印刷の解像度に優れており高画質の印刷を得意としています。
ただし、「ムラテック製コピー機」としての販売実績は、日本国内では決して多くなく、シェア率も5%未満(想定値)と思われます。
印字品質の高さや洗練された本体デザインなどは、評価できるポイントです。
ただし、コピー機業界大手の富士ゼロックス(現・富士フイルムビジネスイノベーション)やキヤノン、リコーなどに比べると突出した機能性・スペックではなく、総合的にバランスの取れた機器という印象です。
ただし、コニカミノルタ製品をベースとしているため、Macへの対応もしており、デザイン関連の企業などでは安心して使用できるでしょう。
また、土曜日でも保守を受けるなど、メンテナンス面での対応の良さが高く評価されています。
ベースとなっているコニカミノルタ製品自体が、コスト的にそれほど安いメーカーではありません。その点を鑑みると、ムラテック製品も同様に、決して安いとは言えず、コストを最重視する企業には京セラなど他メーカーの方がおすすめです。
現在、カウンター料金の相場はモノクロ1円/枚~、カラー10円/枚~が一般的な相場となっており、ムラテックのコピー機も、相場とほぼ同程度か僅かに高めの設定となっています。
なお、コピー機本体の価格決定要因は、月間の印刷ボリュームやコピー機本体の導入台数、相見積もりなど複数の要素で決定されているため、コピー機の導入を検討している場合は必ず複数社から見積もりを取得しましょう。
ムラテックのコピー機は、先ほど紹介したとおりMACに対応しており、デザイン系などの企業・オフィスへの導入が向いています。また、コピー機本体のデザイン性も高く、事務機特有の野暮ったさなどがないため、お洒落な空間・環境を重視したオフィスなどでも親和性の高い機器と言えます。
印字品質は、コニカミノルタ製のコピー機と変わらないため、高画質で高精細な印刷が必要な現場などでも活躍するでしょう。
一方で、高速印刷を行いたい企業では注意が必要です。
コニカミノルタの「bizhub」シリーズの中でも、中速機を中心としたOEM製品となっているため、印字速度が速い機器でも36枚機(36ppm:MFX-C7360)です。
また、メーカーの拠点があまり多くなく、地域によっては提案そのものが難しい場合もあります。
今回の記事ではムラテックの歴史やコピー機について紹介しました。記事の内容をまとめると以下の通りです。