出典:コニカミノルタ
コニカミノルタは、日本を代表する光学メーカーの1社であり、コピー機業界でも大手メーカーとして知られています。同業界2位のリコーや3位キヤノンと同じく、世界的なグローバル企業であると同時に、現在は様々な事業への多角化経営しているコングロマリットとしても名を広めており、若い世代などにはプラネタリウムの企業としても有名です。
今回の記事では、コニカミノルタのコピー機について解説します。
コニカミノルタは、1873年創業のコニカと、1928年創業のミノルタの2社が経営統合されて誕生した企業です。
現在の社名「コニカミノルタ」は2003年に発足し、コニカミノルタホールディングスとしてスタート(2013年以降はコニカミノルタ株式会社へと変更)しています。
元々は別々の企業であった両社ですが、年代こそ異なるものの「カメラ」を起点としてスタートした企業です。
コニカは創業以来カメラを中心として成長し、ミノルタはカメラと並行して「プラネタリウム」なども手掛けて発展してきました。両社はともに「カメラ」を発祥とした企業であり、比較的事業領域が近かったものの、デジタルカメラの普及から不振となった「カメラ」など写真関連事業の多くを手放す事業編成を行っています。
しかし、不採算事業からの素早い撤退やカメラ事業で培ってきた技術を基礎とした医療分野への多角化をはじめ、オンデマンド出力サービスの「キンコーズジャパン」を買収、プラネタリウムの商用施設をスカイツリーにオープンするなど積極的な多角化経営を行っており、様々な分野で事業を成長させており、多角化の成功事例としても取り上げられている企業です。
また、コニカミノルタのコピー機も、業界2位のリコーや3位のキヤノンと同じく光学技術を基にして発展したことから比較的安定した印刷力を持っており、特にデザインを手掛ける企業から人気の高いメーカーです。国内でのコピー機シェアも近年急激に伸ばしており、減少傾向にある国内のコピー機市場でも大きく躍進しています。
コニカミノルタのコピー機「bizuhubu(ビズハブ)」シリーズは、印刷の解像度に優れ、高精細で高画質の印刷を得意としています。
また、デザイン系企業の多くが導入するMacにも対応しており、中小のデザイン企業、SOHOなどで導入されています。お洒落なオフィスをイメージしたスタイリッシュな本体なども人気を博し、グッドデザイン賞の常連でもあります。
ここ近年の売上高などから見ると、上位3社である富士ゼロックス(富士フィルムビジネスイノベーション)、リコー、キヤノン、さらにシェア率が低いメーカーからシェアを奪う形で成長しており、現在のシェア率は10%以上をキープしながら4位となっています。
コニカミノルタのコピー機は、印字品質の高さや洗練された本体デザインなど評価ポイントが多い点は強みと言えるでしょう。上位3社と比べて突出して秀でた機能性・スペックではないものの、総合的にバランスの良い製品であるため、どのようなオフィス現場でも導入しやすい点が特長です。
また、Macへの対応などからデザイン関連の企業での使用事例が多く、コストよりも印字品質を重視する企業では安心して使用できます。
さらに、印字した資料自体が成果物となる業界でも懸念なく使用できるように「個人認証」や「生体認証」など、万全なセキュリティ対策が施されており、この点も大きな強みと言えるでしょう。
印字品質やデザイン性など総合的に見た場合は、コストパフォーマンスに優れているものの、単純に「コスト」だけに焦点を絞ると、決して安いメーカーではないので注意が必要です。
また、上位3社(富士フイルム、リコー、キヤノン)は要求力の高い大手企業などを顧客としているため、サポート力が非常に高く、保守拠点が多い(上位3社は200拠点以上)強みを持っていますが、コニカミノルタの場合は中小企業を顧客としてる場合が多く、自前の保守拠点数は上位のメーカーと比較しても少ない(100拠点未満)ので、保守重視で選ぶと、やや物足りなさを感じるでしょう。
現在、カウンター料金の相場はモノクロ1円/枚~、カラー10円/枚~が一般的な相場となっており、コニカミノルタの想定価格も相場とほぼ当程度となっています。
なお、コピー機本体の価格決定要因は、月間の印刷ボリュームやコピー機本体の導入台数、相見積もりなど複数の要素で決定されているため、コピー機の導入を検討している場合は必ず複数社から見積もりを取得しましょう。
コニカミノルタの導入事例は、競合の上位3社と同様に「電子化」や「ペーパーレス(プリントレス)化」の要望・実績が増えており、さらに自社の強みでもある「個人認証(カード認証)」などの導入事例も多く報告されています。
▼業種別の導入事例(一部)
ここからは、コニカミノルタ製コピー機の導入に向いている企業の特徴を2つ紹介します。
コニカミノルタのコピー機は基本的なICカード認証や、ATMなどに利用されている指の静脈を利用したバイオメトリクス認証と呼ばれる「生体認証」など、文書管理におけるセキュリティシステムを得意としています。
印刷したデザインや設計書など、印刷物自体に高度なセキュリティを要する職場では「なりすまし」による出力などの情報漏洩事故は信用問題にかかわります。
高度なセキュリティ対策を行いたい企業では、コニカミノルタの複合機の導入を検討してみると良いでしょう。
印刷物自体が成果物となるデザイン事務所などでは、出力による色彩など注意が必要です。メーカーによって使用しているトナー(粉状のインク)が異なり、出力した結果も異なります。
コニカミノルタのコピー機は色彩の発色も良く、難しいマゼンタの出力などにも強みを持っているため、色へのこだわりが強い企業などは、サンプルを取り寄せて検討してみましょう。
また、印字の品質自体も良く、高精細な印字に向いています。
一方で、超高速印刷を行いたい企業では注意が必要です。
コニカミノルタの主力複合機「bizhub」シリーズは、カラー機の最高印刷速度が毎分70枚(bizhub C750 i Premium)です。
通常の環境下における70枚機は「高速帯」の製品ですが、ゼロックスなどは80枚/分以上のより高速な印刷を可能とした機器を揃えているため、速度だけで比べた場合はワンランク下となってしまいます。
今回の記事ではコニカミノルタの歴史やコピー機について紹介しました。記事の内容をまとめると以下の通りです。