Published at2021年12月14日
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出典:東芝テック
業務用コピー機・複合機のカウンター保守に設定されている『最低料金』とは、印刷枚数が少なくても最低限支払わなければ料金のことで、呼び名はメーカーによって「最低料金」や「基本料金」などと異なります。
この「最低料金」は、カウンター料金の単価や毎月の印刷枚数を目安に設定され、例えばモノクロ1.5円/枚、カラー16円/枚だった場合、最低料金はモノクロ3,000枚分(モノクロ1.5円×3,000枚=4,500円)などのように設定されます。
最低料金が設定された場合、例えば1カ月サイクルでの検針で、モノクロ500枚/月、カラー0枚/月しか印刷しなかった場合でも、モノクロ3,000枚分の料金を支払う必要があるので注意が必要です。
ちなみに、最低料金はカウンター保守契約を結んだ場合のみ設定されるため、その他の「キット保守」や「スポット保守」などの保守では設定されません。
保守契約の種類について気になる方は、以下の関連記事でコピー機・複合機の保守契約の種類や違いについて紹介しているので、是非参考にしてください。
▼関連記事:コピー機・複合機のカウンター料金相場、カウンター保守
カウンター保守で最低料金が設定される理由は、最低料金が設定されていないとメーカー側が赤字になってしまうリスクがあるためです。
カウンター料金の中には「無料でのメンテナンス」や「無料でのトナー交換」などのサービスが含まれています。
そのため、極端に印刷枚数が少ない場合、無料サービス分の料金が回収できず、商品やサービスを提供できなくなってしまい、そのような事態を避けるためにも、最低限の利用料金として「最低料金」が設定されています。
結論から述べると、モノクロ&フルカラーの印刷料金の合計金額が最低料金を下回った場合は「最低料金」が、上回った場合には「カウンター料金」が適用されます。
ここで注目したいポイントは、カウンター料金と最低料金は二重で請求されることはないことで、カウンター保守に掛かるコストの計算方法は「月額リース料金」+「最低料金もしくはカウンター料金」になります。
コスト管理をする際には、最低料金を上回っているか?を目安にしましょう。
ここからは、各メーカーごとのカウンター保守の最低料金例をご紹介します。
コピー機・複合機のカウンター保守の最低料金の例を、スペックごとに以下の表にまとめました。
【A3カラーコピー 25枚機(中速機)】
機種 | メーカー | 印刷速度 | 呼び方 | 最低料金 |
---|---|---|---|---|
e-STUDIO2515AC | 東芝 | 25枚/分 | 月額最低料金 | 7,600円 |
bizhub C250 i | コニカミノルタ | 25枚/分 | 最低料金 | 2,000円 |
RICOH IM C2500 | リコー | 25枚/分 | 基本料金 | 2,000円 |
Apeos C2570 | 富士フイルム | 25枚/分 | 最低プリント料金 | 2,550円 |
MFX-C7250 | ムラテック | 25枚/分 | 最低料金 | 2,000円 |
2553ci | 京セラ | 25枚/分 | 月額基本料金 | 4,000円 |
【A3カラーコピー 65枚機(高速機)】
機種 | メーカー | 印刷速度 | 呼び方 | 最低料金 |
---|---|---|---|---|
e-STUDIO6516AC | 東芝 | 65枚/分 | 月額最低料金 | 20,000円 |
bizhub C650 i | コニカミノルタ | 65枚/分 | 最低料金 | 10,000円 |
RICOH IM C6500 | リコー | 65枚/分 | 基本料金 | 17,000円 |
Apeos C6580 | 富士フイルム | 65枚/分 | 最低プリント料金 | 15,500円 |
【A3モノクロコピー 20~36機(中~高速機)】
機種 | メーカー | 印刷速度 | 呼び方 | 最低料金 |
---|---|---|---|---|
e-STUDIO3518A | 東芝 | 35枚/分 | 基本料金 | 4,900円 |
bizhub 360 i | コニカミノルタ | 36枚/分 | 基本料金 | 8,000円 |
RICOH IM 3500 | リコー | 35枚/分 | 基本料金 | 2,550円 |
ApeosPort 3570 | 富士フイルム | 35枚/分 | 最低プリント料金 | 6,800円 |
MFX-8237 | ムラテック | 23枚/分 | 基本料金 | 3,400円 |
表を見ると、カラー機では、リコーやコニカミノルタ、モノクロ機ではリコーやムラテックが比較的安い最低料金で契約できることが分かります。
ただし、上記の価格はあくまでも参考価格で、実際にはさらに安く契約できるケースがあります。
以下より最低料金を下げる2つの方法について紹介します。
最低料金を下げる方法は以下の2つです。
カウンター保守の最低料金は、契約時に少しでも安くなるように交渉することが可能です。
特に、カウンター料金や最低料金の相場を把握していたり、相見積もりを取っていたりすると、交渉を有利に進められる可能性が高まります。
また、印刷単価を基準に設定されることが多いため、カウンター料金の単価を下げるように交渉することも大切です。
カウンター料金の値下げ交渉術については、以下の関連記事で紹介しているので、是非参考にして下さい。
▼関連記事:コピー機・複合機のカウンター料金の節約方法と値下げ交渉
毎月の検針を1カ月単位ではなく3カ月単位に変更することで、印刷単価は約1.5倍ほど高くなりますが、最低料金を下げることができます。
例えば、以下のような計算になります。
≪計算条件≫
モノクロ1.0円、カラー15円
基本料金 モノクロ1,000枚分(1.0円×1,000枚=1,000円)
毎月の印刷枚数 モノクロ400枚、カラー10枚
≪1カ月単位で検針した場合の月額料金≫
モノクロ 1.0円×400枚=400円
カラー 15円×10枚=150円
400円+150円=550円
最低料金に達しないため、1カ月あたりの料金には最低料金の1,000円が適用されます。
≪3カ月単位で検針した場合の月額料金≫
モノクロ1.5円、カラー22.5円(印刷単価約1.5倍)
基本料金 モノクロ1,000枚分(1.5円×1,000枚=1,500円(1,500÷3カ月=500円/月))
モノクロ 1.5円×400枚=600円
カラー 22.5円×10枚=225円
600円+225円=825円
最低料金を超えているため、1カ月あたりの料金にはカウンター料金の825円が適用されます。
上記の計算例を見てみると、1カ月で最低料金に届かない場合には、3カ月単位での検針に変更した方がお得になることが分かります。
自社の印刷枚数や印刷単価を見直して、最適な契約方法を検討しましょう。